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松下幸之助とスティーブ・ジョブズに共通する思想

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

私は今大学院で
経営学を学んでいるのですが、
そこでは様々なケースが出てきます。

リーダーシップのクラスで、
日本人なら
誰もが知っている
偉大な経営者、
松下幸之助と
スティーブ・ジョブズについて、
同時に学ぶ機会がありました。

今回は、
この二人の思想について、
共通点を抽出してみます。

ジョブズの伝説スピーチを解剖

ジョブズは日本の禅に傾倒したり、
ミニマリストとしても有名ですが、
ここでは
スタンフォード大学の
卒業式で行ったスピーチを
取り上げてみましょう。

ここにジョブズの生き方の
エッセンスが凝縮されてると
思いますので、メインメッセージを
4つに整理してみました。

1,好きなことに集中、自分の判断を信じろ

自らの意思で
大学を中退したジョブズは、
しばらく興味ある講義だけ
もぐりで出ていました。

その一つが
カリグラフィ(西洋書道)
のクラスです。

これがのちに、
PCマッキントッシュの
美しいフォントに
つながったそうです。

2,辛い経験を意味付ける

生まれた瞬間に養子となった
自分の生い立ちや、
大学中退もつらい経験でした。

そして、
彼の最大の苦難は
自分が作った会社から
追放されたとき。

しかし、
彼はそこから再び挑戦者となり、
新しい会社を興し
ビジネスを再構築していきます。

その経験がAppleへの復帰に
つながったと
振り返っています。

3,死を意識すればなんでもできる

すい臓がんから奇跡的に
復活した経験から、
死を意識することの
重要性を説きます。

鏡の前で毎朝
「今日が人生最後の日だったら?」
と問いかけることで
生きる意味を見つめ、
行動を修正していきます。

4,ハングリーであれ、バカものであれ

そして、
最後のメッセージはこれ。

全米最高峰のスタンフォード大生に、
刺激的な一言でスピーチを
締めくくります。

コッター『幸之助論』からの考察

さて、一方で、
松下幸之助の思想はどうか?

松下幸之助を論じている書籍は
無数にありますが、
ここではジョン・P・コッターの
『幸之助論』から考察してみます。

著者のコッターは
ハーバード大経営学教授ですが、
学術書というよりは、
良質なノンフィクションで
読みごたえ抜群です。

偉大な経営者に対する
日本的な忖度もなく、
実父の破産から
幸之助の愛人の話まで、
あらゆる側面から
松下幸之助を丸裸にしています。

和歌山の旧家で生まれた幸之助は
幼少期に次々に兄弟姉妹が死に、
父親の投機に失敗したあとは
大阪に一家で夜逃げします。

経済的事情から幸之助は
やむなく学校をやめ、
9歳で丁稚に出て
ビジネスキャリアを
スタートさせます。

20代前半で起業して、
コネや特別な支援者なしで
30代で従業員5000人の
大企業に成長させます。

常時病気がちだった
幸之助はしかし、
ピンチになると
回復するという
習性がありました。

創業期の資金繰りや、
戦後の財閥解体の時も、
なぜか体調がよくなり
その経営手腕を
いかんなく発揮して
乗り越えていきます。

そして「貧困撲滅」という
自身に課した使命に
ひたむきに向かっていきます。

現状をありのまま受け止め、
自分にできることを
考えて実行する。

どんな時も他者から学び、
自分が成長することを
信じて疑わない。

のちに幸之助は
そのありかたを
「素直な心」と呼び、
人間の大切な徳目として
提唱しています。

そこからみえる
松下幸之助の人生哲学を
私なりにまとめると、

1自分の成功や明るい未来を信じる

2困難を楽しむ勇気、
そこから成長する意思の強さ

3自分の使命に身を捧げる姿勢

4謙虚さ、素直な心

ということになります。

人生哲学の交差点

というわけで、
二人の生き方の共通点を
まとめます。

①自分を信じ、未来を信じる

②困難を苦難を肥やしに成長していく

③自分の生きる意味や使命にまっすぐ

そして、④は、
スティーブ・ジョブズの
「ハングリーであれ、
バカものであれ」と
幸之助の「素直な心」のリンクです。

「素直な心」とは、
学び続ける気持ち。
学びとは謙虚であることが前提。

ありのままを受け止める
という意味では、
これまでの蓄積も
いったんフラットにして、
バカもののように
愚直に生きることですよね。

以上、
日米の偉大な経営者の生き方、
その交差点を考察してみました。

まったくタイプが
異なるように見えて、
根本ではつながっている点が、
興味深いですよね。

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO