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学びの差分をどうつくるか?【『独学の地図』読書メモ】

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

皆さんは普段、
どんな学びをしていますか?

資格を取りに行ったり、
講座やスクールに通うことも
ありますよね。

とはいえ、
自分自身で学んでいる人多いも
多いと思います。

独学の地図

世の中に独学本は
たくさんありますが、
この本は独学テクニック論ではなく、
学ぶとはどういう状態なのか、
深く問いをたてている本です。

他の誰でもない、
自分だけの学びをどう獲得するか。

学ぶ前と後で、
どんな差分がうまれたのか。

学んだあとに、
「刺激になった」
とか
「考え続けなければ
いけないと思った」
など、
だれでも答えられるような
一般論の感想ではなく、
その人だけが語れる学び=差分を、
問いの重奏爆撃で
掘り起こしていきます。

音声コンテンツVoicyの
「book cafe」や
ポッドキャスト
「超想定性理論」
でも有名な著者の荒木博行さんは、
私が通っているビジネススクールの
講師を長年務めている方です。

読書や学びのスペシャリストから、
私が学んだポイントを
絞って書いてみますね。

学びに目的はいらない

まずこの本は、
学ぶ目的は何か?
という問いから始まります。

そして
ひとそれぞれ学ぶ理由は
あるだろうが、
結論として学ぶ目的など考えず、
ただ学びたいことを始めればよい。

その方が深い学びに繋がるし、
長く学び続けられる。
それが結果的に
別の価値に昇華したり、
いわゆる実務に繋がることもある、
と。

キャリア理論の大家、
クランボルツ博士の
プランドハプスタンス理論
(計画された偶発性)
に近いと思いました。

未来を描きすぎない、
目的を持ちすぎない。

今目の前のことを一生懸命やる。
前向きに。

そうすると、
いつの間にか充実した
自分だけの人生に繋がっていく、
というものです。

わたしもあまり計画せずに
その時の気分や流れに
任せた旅が好きです。

学びの旅も、
地図をひろげて
感覚的に面白そうな方に
行ってみると、
思いがけない出会いが
あるかもしれない、
というこなのでしょう。

経験を意味づける力

荒木さんは、若いころから
その時々の出来事や
気持ちを振り返り、
書面にしてきたそうです。

この本にはたくさんの
過去のエピソードが出てきますが、
ついさっき起きたかのような
その臨場感に驚きます。

新入社員の時の、
仕事ができないと
思われることへの恐怖。
そこからの体調不良。

3年目の時、
はじめて人前で講師をしたときの
悔恨と決意。

4年目では
自社の強みや戦略が答えられない
シニアマネジメントに失望します。
そしてそれは
荒木さんの退職につながります。

ビジネススクールに移ってからは、
信頼している部下から
「あなたにほめられたことがない」
というフィードバックに衝撃をうけ、
自分の思考と行動のクセを
丹念に振り返っています。

そのどれも、当時の心情を
つまびらかにするとともに、
経験を自分だけの学びに
昇華している点が刮目です。

起きたことを、
どのようにとらえ直せば
次の行動へつなげられるのか。

その意味付けの方法を、
一つのお手本として
開陳してくれているのです。

そして
意味付けのベースになっている、
日々の振り返りメモの威力を
感じずにはいられません。

表現筋の鍛え方

荒木さんの文章も
すごいのですが、
冒頭で紹介した音声コンテンツ
「book cafe」
「超想定性理論」をきくと、
おしゃべりでその思考を構造的に
わかりやすく伝える言語化力、
また文学的な表現力に
びっくりします。

この本は独学のために
5つの筋力を鍛えるように
提唱しています。

いわくそれは
自己批判筋、
保留筋、
抽象化筋、
具体化筋、
表現筋
の5つです。

その中でも表現筋の身に着け方が
一番わかりやすいです。

それは簡単に言うと模倣です。
これは!と思った文章や作品を
模写することで、
表現筋を鍛えていく。

荒木さんの場合は三島由紀夫の
『金閣寺』だそうです。

私も今後音声コンテンツに
力を入れていきたいと
思っていますので、
この模写が有効そうですね。

私の場合はさらに、
リズム感のあるエッセーを音読して、
語りの表現筋も鍛えたいと思います。

以上です。
いかがでしたでしょうか。

この本は、
その章ごとに関連する
オススメ本も紹介されていて、
読みたい本が一気に増えます。

私も思わず10冊ほど
買い込んでしまいました。

あなたも、
「独学の地図」で
学びの旅をもっと深いものに
してみましょう。 

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO