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質問の魔力

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

先日、趣味のトレイルランニングの
レースに出場するために、
フランスに行ってきました。

そこで、走っている最中に
テレビクルーに突然声をかけられ、
質問を受けました。

普段コーチングで人に質問を
しまくっている私ですが、
逆の立場になることで、
それは自分を大いに
刺激する体験でした。

その時に改めて感じた、
「質問」というコミュニケーションツールの威力、
いやその「魔力」について書いてみたいと思います。

トレランのレースで取材を受ける

私が出場したレースは、
トレイルランニングをやっている人なら
誰もがあこがれる夢の舞台、
UTMB(Ultra Trail Du Mon-Blanc)
といいます。

霊峰モンブランのまわりを一周、
フランス・イタリア・スイスをまたがり
171キロを踏破する長い旅路です。

このレースの終盤、
あと10キロでゴールという山道で、
突然NHKのカメラマンに声をかけられました。

どんなレースでしたか?

日本のレースとの違いは?

いつから準備してましたか?

もう終わりますよ。どんな気持ちですか?

どの質問も、
自分の中には考えがあったはずなのですが、
面と向かって聞かれると、
改めて思考しますし、
それを言葉にするために
さらに考えが深まります。

このレースに出るために
何年もトレーニングを積んできたこと、
このレースの何が特別なのか、
ゴールすることは自分にとって
どんな意味があるのか?

そして、それを言葉にしてみて、
さらにその言葉を自分の耳で聞くことで、

あ、おれそう思ってたんだ。

いや、ほんとかな?

など、さらに思考がすすむ体験となりました。

偉人たちの日課

『天才たちの日課』
という本を読んで、
面白いことに気づきました。

歴史上の偉人たちは、
一日の中で家族や友人との
おしゃべりの時間を
意図的に作っていた人が多いのです。

フロイトも、ダーウィンも、カントも、
他者との対話の時間が
毎日のルーティンとして組み込まれていました。

なん十冊もの大著を書いている巨人も、
家族や仲間とおしゃべりすることで、
発話することの意義・重要性を
認識していたのでしょう。

思考と発信と繰り返すこと。
自分の現在地を確認する時間。
他者からフィードバックをもらって
さらに思考を練磨する体験。

そこには、
適切な質問や問いがあったのだと思います。

ソクラテスではありませんが、
対話と問いによって
これまで気づいてなかった深層心理が
表出されることの意味を、
多くの偉人たちは理解していたのでしょう。

質問されるとどうなるか

人は、質問されるとそこに視点が向きます。
意識が向きます。

質問を無視することは
よっぽどのことがないと難しいですよね。

なかったことするには
それだけの忍耐と気持ちの
切り替えが必要ですし、
相手が嫌いな場合や、
意味のないやりとりだと
わかっている場合に限られますね。

普段コーチングで
人に質問を続けている私ですが、
自分が考えた質問をあえて
他の人からしてもらうこともあります。

自分で書いているものなのに、
改めて人から聞かれると、その問いは、
全く別の質量としてのしかかってきます。

本当の意味で
自分に向かってくる矢印になるのです。

これは、面白い体験なので
ぜひ皆さんもやってみてください。

セルフコーチングと、
実際に人から問われる経験は
大きく異なります。

直接問われることで、
頭の中がぐるっと回転し、
カタチになっていないものが具体になり、
名前が付けられます。

これが、質問の威力です。

どんな質問が効果的なのか。威力があるのか。
それは別の機会に書いてみたいと思います。

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO