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都心名段ランガイド“階段ジャンキー”が生まれるまで

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

私は“階段ジャンキー”という、
都心の階段を走りながら解説する
ランニングガイドもしています。

なぜ階段?なぜジャンキー?
いろんな問いが返ってきそうですが、
そこを踏まえつつ、
今日は都心の魅力的な階段を
走って巡る楽しさについて
書いてみますね。

松本泰生著『東京の階段』と出会う

まだ都心に住んでいたころ、
トレイルランニングの
トレーニングとして、
毎週一回の階段ダッシュを
自分に課していました。

そんな時、
たまたま観たBSの途中下車番組で、
松本泰生さんという人が
登場していました。

松本さんは人生を階段研究に
捧げている人でした。

この方が書いた『東京の階段』
という本があることを知り、
その日のうちに
ネットで購入しました。

BS効果か、定価の倍以上の
値段でしたが迷わずポチりました。

自分を変える何かが、
その本にある気がしました。

本の帯には、
「名階段126!
その先に広がる意外な都市風景!!」
とあります。

2007年発行で、松本さんの博士論文が
ベースになっている書籍とのことでした。

ページをめくると、
東京の階段の魅力、
なぜ階段が好きなのか、
また都市開発の波におされ、
名階段がつぎつぎ姿を
消していることを嘆く
一文もありました。

そして、
松本さんの好みの階段が一つずつ、
写真と解説付きで展開されていきます。

よし、この本に掲載されている階段を
すべてダッシュして制覇しよう。

当時すでに東京から新潟に
Uターンすることを決めていた私は、
その活動を東京生活の最後の
思い出つくりにすることにしました。

トレーニングにつかっている
私の最寄りの“ガチ階段”は、
お茶の水にある駿河台男坂。

まさにマイホーム階段ともいうべき
男坂がこの本の最初の一つ目に
紹介されいます。

なんという運命と因果でしょうか。
やっぱり自分が走っていた坂は、
名坂だったんだ。

なぜかうれしくなり、
ますますこの本に
のめりこんでいきました。

普通に考えると、
好き好んで階段を走っている人間は
変態に見えるかもしれません。

心理的にも理解しがたいですが、
物理的に邪魔くさいはずです。

その自覚はあるので、
通行している人の妨げにならないよう
配慮は怠らないように
しているつもりです。

いずれにせよ、
東京の地形を自らの足を運んで体感し、
階段にまつわる地理と歴史を学び、
さらにその階段をダッシュすることで
自分を鍛える。

まさに自分らしく、楽しく、
学びの多い趣味であると、
この企みを描いたとき、
自分の中ですべてのボタンが
カチッとはまった気がしました。

なぜ階段を走るのか?

ところで、
なぜ普通の坂道ではなく、
階段なのでしょうか?

階段名も「○○坂」
というのが多いので、
区別するためにここでは
階段ではない坂を“スロープ坂”と
呼ぶことにします。

確かに東京は、
タモリさんの趣味を出すまでもなく、
南部坂や三分坂、団子坂など
スロープ坂の名所がたくさんあり、
歴史的な勾配は東京らしい
風情に満ちています。

そして、
トレイルランニング的にも
スロープ坂トレーニングは
ポピュラーな練習メニューの一つであり、
効果も高いとされています。

ではなぜ私は階段にこだわるのか。

スロープ坂と階段の違い。
それは人以外が通れるかどうかです。

スロープは、
動力や機械をつかっても移動できます。

ただし、階段は
人が自分の足を使うことでしか
移動できません。

人しか通れないことで、
心理的・物理的安全性が担保されます。

また、階段があるということは、
階段を作らなければならないほど、
その傾斜が急であることを意味します。

そして、
階段をつくってまでもその高低差を
最短距離でつなぎたいという
人間の意志を感じます。

階段を「高低差をつなぐ橋」
と考えると、
その存在そのものが
とても愛おしく感じます。

人しか通れない。
そして人間の意志が込められている。

それが私が階段を愛する理由であり、
トレーニングの主戦場にしてきた
理由になります。

趣味が仕事に?“階段ジャンキー”発動

一年ほどかけて、
『東京の階段』掲載の階段を
すべて制覇しました。

実際ひとつひとつ走ってみると、
東京の階段の奥深さと面白さに
はまってしまいます。

そのネーミングから歴史・形状まで
千差万別で、
さらには地域住民との関係性など、
個性が光るものばかりです。

そして、
その階段たちをめぐることで、
いままで点でしかなかった
都心の地名が線としてつながり、
また東京の地形を3Dで感じることで
地政学的・都市開発的な視点で
新たな発見がありました。

なかには、
すでに開発で消えてしまった
歴史的な階段もありましたが、
25年以上住んでいても
決して見えなかった
東京という街の別の側面を
垣間見ることができたと思っています。

いまでは都心を走っていて
傾斜を感じると、
あそこに階段があるのではないか?
と犬のように鼻をクンクンさせながら
隠れ階段を探すようになりました。

私はその体験、
そしてひとつひとつの階段の特徴を、
SNSで発信していきました。

これが思いのほか好評で、
普段一緒にトレーニングしている
ランニング仲間から、
一緒に走ってみたいと
オファーが届きました。

そして、
実際解説をしながら走ってみると、
参加者の満足度がとても高い。
その中の一人から、
ランニングツアーとして
募集してみたら?
と提案をもらいました。

私自身も、この楽しさを
もっと多くの人に体感してほしいし、
自分がワクワクすることで
誰かの気持ちが豊かになるなら、
それ以上の喜びはないな、
と考えるようになりました。

そこから生まれたのが、
「階段ジャンキーツアー」です。

なぜ「ジャンキー」かと問われれば、
自分が階段をみると
よだれを垂らして
駆け上がりたくなる
「階段中毒者」だからです(笑)。

我慢できない衝動を、
そのままネーミングにしてみました。
語呂もいいですよね?

ただいま一年で4・5回ツアーを
実施しています。

ご興味があれば、モシコムに
階段ジャンキーページがありますので
フォローいただければ、
次回のご案内が届きます。
https://moshicom.com/user/34178/

チェックしてみてください。

※寺社仏閣や狭い住居エリアなど
走るべきではない階段での
ランニングは控えています。

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO