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「じぶん」を知るために大切なこと~プロティアン・キャリア授業から

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

私は普段、
キャリア教育やキャリア研修の
コーチもしています。

私が提唱する
「プロティアン・キャリア理論」では、
変幻自在なキャリアを推奨しています。

ただし、単に変わればいい
というものでもありません。

「自分らしさ」を認識したうえで、
「じぶん」を軸にして、
しなやかに変化・成長していく。

それが
「プロティアンな生き方」
になります。

今日は、私が実施している
小学生向けキャリア授業から、
どのように変化するか?
どう成長するか?
の手前にある「じぶん」の深堀り方
について書いてみます。

ポイントは、「他者目線」です。

進学や就職だけでなく、
大人のキャリアデザインにも
役に立つと思いますよ。

ではいってみましょう。

好きなもの、大切なものを考える

私が小学生向けに実施している
「じぶんクラス」では、
「じぶん」を探る旅の冒頭に、

「あなたはどんな人?」

という質問から始まります。

突然の質問に小学生は
うまく答えられません。

悩んだ挙句「フツーの人です」
答える子どもが何人か。

そうですよね、
大人でも即答は難しいです。

「では今日は、あなたがどんな人か、
一緒に考えていきましょう。」

「じぶんクラス」では、
主に2つのワークをします。

まずは、自分が何が好きで、
何を大切にしているか、
に視点を向けさせます。

好きなものゲーム

最初に、
体を動かすアイスブレイクとして
「好きなものゲーム」。

「犬とねこどっちが好き?」
体育館を二つのスペースにわけて、
合図に合わせて犬好きと猫好きが
一斉に分かれていきます。

同じように、4つのスペースにわけて、
「春夏秋冬どれが好き?」
「お絵描き、ゲーム、読書、
鬼ごっこ、どれが好き?」

一つ選べずに真ん中あたりに
立つ子供もいます。
それも「その子らしさ」として
受け止めます。

そして最後に、価値観をききます。

「強さ、やさしさ、楽しさ、面白さ、
どれを大切にしている?」

じぶんカード

つづいて、
「じぶんカード」ワークショップ。

ペアになり、約30個の言葉から、
自分が大切にしているモノを
5つ選びます。

「チャレンジ」「家族」
「リーダーシップ」「食べる」
「寝る」「笑顔」「親切」・・・・・

子どもたちは真剣に考えて
選んでいきます。

制限時間いっぱいまで考える子もいれば、
一瞬で選んでしまう子もいます。

そして、隣のペアの子に、
なぜその5つを選んだのか、
説明してもらいます。

なぜ好きなのか?なぜ大切なのか?を考える

好きなものや大切なものを考えた時に、
そこで終わりにしません。

なぜそれを選んだのか?
なぜ好きなのか?大切なのか?

それを深ぼることでより
「じぶん」に近づきます。
選んだ理由にこそ、
「自分らしさ」が潜んでいるからです。

「好きなものゲーム」では、
一人一人に「なぜ犬なの?」
「夏が好きな理由は?」
を聞いていきます。

当たり前ですが、
理由がそれぞれ違います。

「強さ」を選んだ子は、
「強さ」を「フィジカルな力」と
とらえた子もいれば、
「心の強さ」ととらえた子もいます。

「強くなければ大変な時に生きていけない」
「楽しくなければ何も続かない」

そんな理由まで「発話」することで、
より「自分らしさ」が
くっきりしてきます。

「じぶんカード」でも、
なぜそれを選んだのか、
お友達に説明します。

理由をおしゃべりし、
聞いてもらうプロセスが、
「じぶん」を探るための
プレミアムな時間なのです。

他者視点で「じぶん」をみつめる

仏教では、
「自己とは、他者との関わりの中にしか
存在しえない」と諭しています。

じぶんクラスでも、
最後に他者視点で自己をくるむことで、
より解像度高く「じぶん」の現在地を
確認してもらいます。

「じぶんカード」ワークでは、
自分の価値観だけでなく、
おなじ30枚の中から
「ともだちカード」も選びます。

ペアのお友達が
大切にしていそうなモノも、
選んでプレゼントするのです。

「ともだちカード」をもらうことで、
自分が他者からどう映っているのか、
客観性が付与されます。

選んだカードの違い、
その差分がより「じぶん」を
際立たせます。

中には自分で選んだカードと、
友達からもらった「ともだちカード」が
ほとんど一緒、という子もいました。
それはそれで、
「より自分が明確になった」(小6男子)
ようです。

なお、子どもたちからはこんな感想をもらいました。
やっているほうは、ムネアツですね。

・これまでちゃんと自分と
見つめ合っていなかった(小6女)

・ともだちカードとじぶんカードが
ほとんど一緒だったから、
より自分が明確になった(小6男、小5女)

・自分だけでは意外に自分のことに
気づきにくい(小5男)

・周りからの見え方は違う
(小5男、小5女)

・ともだちはしっかりみていてくれている
(小5男)

このクラスでは
ともだちのことを考えることで
他者理解が促進されることと、
コミュニケーションが深まって、
友達のこともより好きになる、
という副産物もありました。

先生方からは、
「自分たちもやってみたい!」
とコメントいただきました。

いかがでしょうか?

まとめますね。

1,自分が好きなもの、大切なものを考える

2,それはなぜかを考える

3,それを他者に話し、フィードバックをもらう

このプロセスが、
より「じぶん」をくっきりさせる
というお話でした。

みなさんもぜひ
「じぶんカード」「ともだちカード」
やってみてください。

結構楽しいですよ。

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO