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「感情」と「情動」の違い

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

人間は「感情」の生き物といいますね。
感情に支配されるか、
支配するかで
生き方に大きな違いが出そうです。

一方で、「感情」に似た言葉に
「情動」があります。

コーチングでは
セッションで
この「感情」を扱うことがよくあります。

コーチングマネジメントを学んでいる人、
コーチを目指す方々にとって、
これらを正しく理解することは、
相手との対話を深めるために
大切な要素になります。

今回は、
この「感情」と「情動」の違いについて
掘り下げていきましょう。

1,情動とは本能的な反応

まず、
「情動」という言葉について

考えてみましょう。

情動とは、
人間や動物が
生命を維持するための
]本能的な反応です。

例えば、
食欲や性欲、
危険に対する回避反応などが
これに該当します。

情動は、
進化の過程で
生存に不可欠なものとして発達し、
基本的に「快」と「不快」という
二つの感覚によって行動を導きます。

たとえば、
おいしい食べ物に対しては
「接近行動」が促され、
危険を感じた場合には
「回避行動」がとられます。

このように、
情動は非常に原始的な反応であり、
動物も共通して持つものです。

フランスの精神科医
フランソワ・ルロール氏によれば、
情動は
「生きるための感情」
とも言えるでしょう。

2,感情とは認知プロセスの結果

一方で、
「感情」は、
情動よりも高度で複雑な
精神活動に関連しています。

感情は主に人間に特有のものであり、
例えば喜び、悲しみ、愛情といった
社会的・文化的な背景に
影響される反応です。

感情は認知的なプロセスを伴い、
私たちが
世界や他者との
関わりの中で作り上げる
意味や解釈に深く結びついています。

感情に関する理論の一つとして、
チャールズ・ダーウィンの
進化論的な視点が挙げられます。

ダーウィンは、
感情は進化の産物であり、
生存と繁殖に役立つために
発達したと考えました。

たとえば、
恐怖は敵から逃れるための感情であり、
愛情は社会的つながりを強化し、
集団の生存を助ける役割を果たします。

3,情動と感情の違い

これらをまとめると、
情動は生命を維持するための
即座かつ本能的な反応であり、
進化的な基盤を持っています。

一方、
感情は情動に基づいて発展した、
より複雑で認知的な反応です。

つまり、
情動は「瞬間的な反応」であり、
感情は「長期的な認知プロセス」
に基づいたものと
考えることができます。

コーチングにおいては、
クライアントが感じている
「情動」と「感情」を区別することで、
より深いレベルでの
自己理解や成長を
促すことが可能です。

たとえば、
クライアントが何かに対して
強い拒否反応(情動)を示したとき、
その背景にある感情を探ることで、
なぜそのような反応が起こるのかを
解明することができます。

4,コーチングにおける応用

コーチングの現場で、
「感情」と「情動」を
使い分けることが、
クライアントとの
コミュニケーションの質を高める
カギとなります。

クライアントが
瞬間的に感じる情動は、
時として強烈で
コントロールが難しいものですが、
それをただの反射的な行動として
扱うのではなく、
その裏にある感情を
探ることが重要です。

感情は過去の経験や価値観、
文化的背景に影響されるため、
クライアントの長期的な
パターンやテーマを
見つける手がかりになります。

感情のマネジメントは、
クライアントが自己理解を深め、
より良い選択をするための手段です。

感情のコントロールだけでなく、
その感情がどのようにして生じたのか、
そしてどのような行動を選ぶべきかを
導くプロセスが、
コーチングにおいて
非常に重要となります。

情動を抑えるのは難しいですが、
感情は適切に管理することが可能です。

自分の感情に気づき、
その感情とどう付き合うかは
その人に選択権があります。

ここで注意したいのは、
なんでもかんでも
感情を抑え込めばいい
ということではありません。

感情を表に出して、
相手に伝えることも
自分らしくコミュニケーションする
大事な手段です。

コーチは、
その感情を受け止めて
掘り下げる役割を担います。

5,まとめ

「感情」と「情動」は、
私たちの内側で
絶えず影響し合いながら
働いています。

情動は、
瞬間的な生存のための反応であり、
感情はその上に築かれた
認知的なプロセスです。

コーチとしては、
クライアントの情動と感情を区別し、
それぞれがどのように
影響し合っているかを理解することで、
より深いサポートが可能になります。

情動に気づき、
感情を整理することで、
クライアントは新たな視点を得て、
自己成長へと導かれるでしょう。

感情のパワーは大きいですから、
それをプラスの方向に向けられれば、
望む成果や未来に近づけるはずです。

感情を適切に扱い、
どのように成果や成長につなげるか。

LifeTraverseの
コーチングコミュニケーション研修では
「感情のマネジメント」も
テーマとして扱っています。

お気軽にお問い合わせください。

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO