コミュニケーションは、頻度 ~ザイオンス効果から考える理想の1on1
2024/09/20
1on1
こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。
私は職業柄、
効果的な1on1について
話す機会が多いです。
よく聞かれる質問として、
どのくらいの頻度が理想か?
というものがあります。
部下との1on1ミーティングを
どのように設計するか、
マネージャーにとって
常に悩みの種ですよね。
今回は、
1on1の頻度について考えてみます。
時間の長さにこだわるより、
頻度を重視してみましょう。
1.ザイオンス効果とは?
「ザイオンス効果
(Zajonc’s Mere Exposure Effect)」
をご存じでしょうか?
これは、
アメリカの心理学者
ロバート・ザイオンス
によって提唱された理論で、
人は接触回数が多いほど
その対象に対して
好意を抱きやすくなる
というものです。
最初は無関心や中立的
であったとしても、
繰り返し接触することで
親近感が高まり、
好意的に感じるようになる
という効果です。
この理論は、
主にマーケティング領域で
活用されており、
テレビ広告や
デジタル広告の露出回数
(フリークエンシー設定)に
応用されています。
顧客に繰り返し
商品やブランドを
見せることで、
自然に好意的な印象を
形成させる手法です。
しかし、
ザイオンス効果は
マーケティング以外にも、
私たちの日常や
ビジネスの人間関係においても
有効です。
上司と部下の関係にも、
この法則は役立ちます。
2.1on1におけるザイオンス効果
ザイオンス効果は、
マネージャーと部下の
1on1ミーティングにも
適用できます。
頻度が高いコミュニケーションは、
部下に対して安心感を与え、
信頼関係構築につながります。
1on1の目的は、
単に業務の進捗を
確認するだけではありません。
部下の感情やモチベーション、
日々の変化を捉えることも大切。
ビジネス環境は絶えず変わり、
部下の心の中にも
日々異なる気持ちが生まれます。
上司としては、
むしろ業務外の
コンディションにも目を向けて、
部下の話をきくことも
重要になってきます。
例えば、
月に1回1時間の1on1よりも、
週に1回15分の方が効果的です。
特に部下が
ストレスを抱えやすい
環境にいる場合、
頻繁にミーティングを行うことで、
彼らの心理状態を
早期にキャッチし、
対応が可能になります。
理想の頻度は、
1週間に1回、30分程度。
長く取る必要はありません。
むしろ短時間でも、
頻繁に会話することの方が
効果的です。
少しの「雑談」や
「Small Talk」から、
部下の心情をつかむことも
できるでしょう。
特に、
同じチームになった
直後の時期は、
ザイオンス効果の恩恵を
最も強く受けられます。
この期間は、
部下にとって
まだ上司に対して
明確な好意や嫌悪がないため、
頻繁なコミュニケーションを
通じてポジティブな関係を
築くことが可能です。
最初の印象が
大きな影響を与えるため、
最初の数か月間に
しっかりとした信頼を
構築することが肝心です。
3.ザイオンス効果が逆効果になる場合
ただし、
ザイオンス効果には逆効果となる
場合もあります。
最初の印象があまりに悪い場合、
どれだけ接触回数を増やしても、
印象が改善されることはなく、
むしろ嫌悪感が
増幅されることさえあります。
特に、部下が
心理的安全性を
感じられない環境にある場合、
1on1の頻度を
いくら増やしても
良好な関係は築けません。
1on1を効果的に行うためには、
まずベースとなる「安心安全」を
構築することが大切です。
これがなければ、
どんなに1on1を重ねても、
逆に部下がストレスを
感じるだけです。
さらに、
部下が1on1の目的や意義を
理解していない場合、
形だけのミーティングは
逆効果です。
会社から言われて
しかたなくやっている1on1が、
世の中にびこっています。
それだと上司も部下も不幸です。
単なる儀式的な1on1に
終わらせないためには、
部下がその時間に価値を感じる
内容にする必要があります。
例えば、
上司から
フィードバックをもらうだけでなく、
部下自身が
率直に意見を言える場でなければ、
モチベーションも
向上しないでしょう。
4.まとめ
1on1は
その頻度がカギを握ります。
短時間でもいいので、
定期的に部下と向き合うことで、
信頼感や心理的安全性を
高めることができます。
ザイオンス効果を活用し、
部下とのコミュニケーションを
積極的に図ることが、
長期的な
パフォーマンス向上に
つながるはずです。
ただし、
1on1の効果を最大化するためには、
部下がその時間を
価値あるものだと
感じられるように
設計することが重要です。
形だけの1on1ではなく、
頻度と質の両方を意識した
コミュニケーションを
心掛けることで、
最強のチームを
つくっていきましょう。
and, the trail continues.