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どうする?新人育成。入ってよかったと思われる職場の作り方

こんにちは。
LifeTraverseチーフコーチの黒岩です。
ブログを読んでいただき
ありがとうございます。

そろそろ4月に入ってくる
新人の受け入れについて
考え始めているマネジメントの方も
多いのではないでしょうか。

どうしたら
「この会社に入ってよかった」
「この部署で成長したい」
と思ってもらえるか。

またどうしたら若手の活力を
チームの成果に結びつけられるのか。

今回は前職の株式会社電通で
新人研修や育成プログラムを
開発してきた私が、
新人・若手育成において
大切なポイントを書いてみます。

結論から言うと、
面でケアする体制構築と、
安心できる足場かけ、です。

それではいってみましょう。

なにを大切に生きてきた?まずは価値観共有  

新人が入ってきたときに、
まず大切なのは本人が
どういう人間か、
しっかり聞いて、
理解することです。

採用の時の
プロフィール資料を見たり、
大勢の前で
自己紹介をしてもらうと思いますが、
これだけでは足りません。

書面上のスペックではなく、
なにを大切に生きてきたのか、
どんな時ワクワクするのか、
新人の価値観を1対1で
じっくり聞いてあげる時間が必要です。

これは、逆もしかりで、
上司や仕事を教えるメンター自身の
価値観を共有することも
新人の心理的安全を確保するために
大切なことです。

では、どのように共有するか?

これまで生きてきて、
年代ごとにどのように
モチベーションが上下したか
ライフラインチャートを
書いてもらうのがおすすめです。

それを見ながら、
一番上がっていた時期、
逆に一番下がっていた時期
のことをきいて、
本人の大切なもの、苦手なことを
確認するのです。

同時に、
上司やメンターのモチベーション曲線を
開示することも忘れないでください。

いきなり新人にそこまでできない、
と思われるかもしれませんが、
最初の自己開示が
職場の安心をつくります。

上司の方から勇気を出して
パンツを脱いでみてください。

相手を知ること、そして認めること。

新人の価値観が自分のものと
大いに違ったとしても、
いきなり否定や説教を
しないように気をつけてくださいね。

まずは受け止めてみてください。

ピープル軸と経験軸

人が成長するとき、
どんな経験をしたか、
どんな人と関わったかが
重要になります。

その場合の経験の与え方、
人の関わらせ方について、
それぞれ経験軸、ピープル軸として
みていきますね。

線ではなく面でケアする

ピープル軸で大切なことは、
配属先の上司と新人、
もしくは上司→メンター→新人の
直線的な関係性だけでは足りないし、
リスクもあるということです。

直線ではなく、
面で新人を囲みましょう。

例えば、同じ職場の別の先輩との
かかわりをデザインしたり、
別の部署や取引先をふくめた
広がりでケアする体制をつくるのです。

いわゆる「ななめの関係」を
複数用意しておくことです。

職場の上司との関係だけだと
行き詰まる可能性もありますし、
別の視点や逃げ場も
用意してあげましょう。

私が勤めていた電通では、
リーダー・サブリーダー制度
というものがありました。

入社した新人を8人ぐらいの班に分け、
そこに先輩社員である
リーダーとサブリーダーをつけるのです。

リーダー・サブリーダーは
新人の配属先とは関係ありません。

そして、
その班の関係は電通にいるかぎり、
いや電通を離れたとしても
ずっと続きます。

何かあったらすぐに
相談できる姉さん兄さん、
という立ち位置でしょうか。

このような大掛かりな制度でなくても、
他の部署の社員にお願いして、
なにかあったら話をきいてくれる
先輩として紹介するだけでも、
新人はありがたいはずです。

線ではなく、面でケアする。

ぜひ新人を中心とした
職場の「人脈マップ」を描いて、
プレゼントしてみてください。

ストレッチ経験と経験学習サイクル

つづいて、経験軸です。

ひとは、ストレッチ経験=
少し背伸びしないとできない経験
によって成長すると言われています。

挑戦度合いが強すぎると
パニック状態になりますし、
背伸びがなければ
居心地はいいけど成長はしない
コンフォートゾーンにとどまります。

その新人にとってちょうどよい
ストレッチ経験をつねに意識して
業務を与えることが大切になります。

例えば営業の新人に対して、
いきなりアポを100件とってこい!
ではなく、
とりあえず一日電話を
30件かけてみよう、
という具合に。

また自分の経験を振り返る習慣も、
成長には欠かせません。

1970年代に
教育学者のコルブが提唱した
「経験学習サイクル」
という考え方があります。

人材開発や組織開発理論の多くは、
この理論がベースになっています。

なにかを経験したら、
それを振り返り(内省)、
そこから学びを抽出して(概念化)、
次の経験に応用してみる。
そしてその経験を振り返って
学びを取り出してみる。
それを繰り返してぐるぐる回していくのです。

例えば
営業で電話でのアポ取りをする場合、
30件電話かけて3件アポが取れたとします。

その3件はその他27件と何が違ったのか?
と振り返ってみます。

お客さんが
たくさんしゃべってくれた場合、
アポがとりやすいという
事実に気づきました。

では、
つぎからなるべく質問調で話したり、
間をおいてみたらどうか?
と応用につなげていくのです。

なお、新人の振り返りや概念化は
ひとりで考えるのに限界があります。

ここに
上司や先輩社員の出番があります。

新人の壁打ち役になり、
どんな学びがあったのか、
気づきと言語化を
支援してあげてください。

これを内省支援と言います。
上司は精神支援や業務支援とともに、
この内省支援の役割があります。

好きにやっていい、俺が責任を取る。の裏に

部下にストレッチ経験をさせる場合、
スキャホルディング
という考え方があります。

スキャホルディングとは、
足場をつくることです。

つまり、
あらかじめ安全地帯をつくって、
その中では好きにやっていい、
と部下に裁量を与えるのです。

自転車の補助輪や、
ガードレールをイメージして
いただくとわかりやすいかもしれません。

よく「お前の自由にやっていい。
あとはおれが責任を取る」
というカッコいい上司の話をききますよね。

でもあれ、
実際は「自由」に条件があるはずです。

あたりまえですが
法律に触れてはいけないし、
会社の事業とかけ離れたことを
やっても難しいはずです。

この条件や自由の範囲を決めることが
スキャホルディングにおける
「足場」になります。

部下の自主性に任せて、
「どうしたらいいと思う?」
と問いかけるのが
コーチングだとしたときに、
仕事の仕方などを細かく
指示・アドバイスすることを
ティーチングといいます。

何もわからない新人には
ティーチングをしてあげなければ
動けません。

とはいえ、
ティーチングだけだとこなすだけ、
指示待ちになる可能性もありますし、
そもそも仕事が楽しくありません。

スキャホルディングは、
コーチングとティーチングの
間にあります。

最初はティーチングよりであっても、
成長に合わせて足場をとっていき、
コーチングだけで
仕事ができるように育成していくのです。

安全な足場をつくり、
徐々にはずして成長を促す。

いかがでしょうか?
スキャホルディングを意識して、
新人育成にトライしてみてください。

ちなみに具体的な
スキャホルディングの方法には
7つの類型がありますが、
それはまた別の機会に
書いてみたいと思います。

また
スキャホルディングについては
こちらの本がおすすめです。
対話型OJT

さて、新人育成の理論や方法を
いろいろ書いてみましたが、
大切なのはこの職場に入ってよかった!
をどうデザインするかです。

そのためには、
あなたが来てくれて
うれしいという気持ちを伝えること、
そして教えるだけでなく、
新人と一緒に成長していく意識が、
上司側にもあることが大切になってきます。

ピカピカの新人の入社、
楽しみですね!

and, the trail continues.

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photo by TAKAO JINBO